ゆうちょ銀行の口座解約を検討されている方に向けて、手続きの流れから必要書類、注意点まで詳しく解説します。窓口での解約手続きは思ったより簡単ですが、事前に準備すべき持ち物や、解約前に確認しておきたいポイントがいくつかあります。この記事では、通常の口座解約だけでなく、定期預金の解約や相続による解約、ゆうちょダイレクトの解約方法まで、あらゆるケースに対応した情報をまとめています。
ゆうちょ銀行の口座解約の基本情報

ゆうちょ銀行の口座解約は、事前に必要な持ち物を準備しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
①ゆうちょ銀行の口座解約ができる場所
ゆうちょ銀行の口座解約手続きは、全国の郵便局の貯金窓口またはゆうちょ銀行の店舗で行うことができます。口座を開設した店舗でなくても解約可能です。
- ゆうちょ銀行の各店舗
- 郵便局の貯金窓口(簡易郵便局を除く)
注意点として、簡易郵便局では口座解約の手続きができません。また、投資信託・国債・特定口座をご利用の場合は、事前に投資信託等取扱店舗での廃止手続きが必要です。
②ゆうちょ銀行の口座解約に必要な持ち物
| 必要な持ち物 | 詳細 |
|---|---|
| 通帳 | 口座の通帳(紛失時は不要) |
| キャッシュカード | お持ちの場合は持参 |
| 口座のお届け印 | 口座開設時に登録した印鑑 |
| 本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
通帳を紛失している場合は、キャッシュカードでの暗証番号照合による解約も可能です。届出印を忘れた場合も同様に、キャッシュカードと暗証番号で本人確認ができます。
③ゆうちょ銀行の口座解約の受付時間
ゆうちょ銀行の口座解約手続きは、平日の9:00〜16:00が受付時間となっています。土日祝日は窓口が休業のため、解約手続きはできません。
④ゆうちょ銀行の口座解約にかかる時間と手数料
口座解約手続きにかかる時間は、通常5〜10分程度です。残高が100万円以上ある場合は、事前に電話で確認してから来店することをおすすめします。
ゆうちょ銀行の口座解約に手数料はかかりません。ただし、窓口で硬貨を51枚以上入金する場合は、550円〜の手数料が発生します。
ゆうちょ銀行の通常口座の解約手順【ケース別】

①通常貯金口座の解約手順
通常貯金口座の解約は、以下の流れで進めることができます。
- 郵便局の貯金窓口またはゆうちょ銀行の店舗へ行き、「口座を解約したい」と伝える
- 払戻申込書に氏名・住所・電話番号・口座番号を記入し、届出印を押印
- 本人確認書類を提示
- 通帳とキャッシュカードを返却
- 残高を現金または他口座への振込で受け取る
解約時には、預金残高に対して利息が付きます。利息から税金が差し引かれた金額が支払われます。
②定期預金・定額貯金がある場合の解約手順
定期預金や定額貯金がある場合は、通常貯金口座の解約前に、これらを先に解約する必要があります。窓口で「定期預金を解約したい」と伝え、定期預金解約の申込書に記入・押印します。定期預金が複数ある場合でも、1枚の申込書で一括解約できます。
定期預金を中途解約する場合、予定していた利息よりも少ない利息しか受け取れませんが、元本割れすることはありません。
③通帳紛失・届出印忘れの場合の対処法
通帳を紛失している場合や、届出印を忘れた場合でも、キャッシュカードでの暗証番号照合による解約が可能です。キャッシュカード、本人確認書類を持参し、窓口で暗証番号を入力することで本人確認を行います。
④投資信託・国債・特定口座を利用している場合
投資信託・国債・特定口座を利用している場合、通常貯金口座を解約する前に、これらのサービスを事前に解約または処理する必要があります。投資信託取扱店舗で、保有商品の換金、投資信託口座・特定口座の廃止、国債の中途換金を行います。手続きには数日〜1週間程度かかるため、余裕を持って進めましょう。
⑤代理人による解約方法
代理人が口座解約する場合は、以下の書類が必要です。
- 名義人が自筆で記入した委任状
- 名義人の本人確認書類のコピー
- 代理人の本人確認書類(原本)
- 代理人の印章
- 通帳・キャッシュカード・口座のお届け印
ゆうちょ銀行の口座解約前に確認すべき注意点

①解約前の必須チェックリスト
口座を解約する前に、以下の項目を必ず確認しておきましょう。
- 口座振替・自動引落:公共料金、携帯電話料金、保険料、クレジットカードなどの引き落とし口座を変更(1〜2ヶ月程度必要)
- 給与振込・年金受取口座:勤務先や年金事務所へ連絡し変更手続き(1〜2ヶ月程度必要)
- 関連サービス:ゆうちょダイレクト、ゆうちょPay、投資信託口座などを解約
- 残高確認:100万円以上の場合は事前に銀行へ連絡
- 定期預金・定額貯金:事前に解約が必要
- 送金予約:ゆうちょダイレクトの送金予約を完了または取り消し
②ゆうちょ銀行解約時のよくあるトラブル
「再度作ろうと思っても口座は作れない」と言われた:これは一人一口座が原則のため、他の口座を持っていると2つ目は作れないという意味です。一度解約したら永久に作れないわけではありません。
硬貨が多い場合の手数料:窓口で硬貨を51枚以上入金する場合、550円〜の手数料が発生します。ATMでの入金を検討しましょう。
③解約できないケースと対応方法
- 送金予約が入っている場合:送金を完了させるか、予約を取り消してから解約
- ゆうちょダイレクト+(プラス)利用中:窓口で「切戻し請求」を行い、新しい通帳を受け取ってから解約(料金がかかります)
- 投資信託・国債を利用している場合:事前に投資信託取扱店舗で廃止手続きが必要
相続によるゆうちょ銀行の口座解約手続き

①相続手続きの全体の流れ
ゆうちょ銀行の相続手続きは、以下の流れで進めます。
- ゆうちょ銀行へ相続発生の連絡(口座凍結)
- 相続確認表を記入し窓口へ提出
- 1〜2週間後、必要書類一覧と貯金等相続手続請求書が郵送される
- 必要書類を準備(戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書など)
- 貯金等相続手続請求書に記入
- 必要書類を窓口へ提出(要予約)
- 1〜2週間後、代表相続人の口座へ払戻金が入金
全体の所要時間:早くて3〜4週間、通常1〜2ヶ月程度かかります。
重要:ゆうちょ銀行では、他の銀行の口座への払い戻しはできません。代表相続人のゆうちょ銀行口座への入金または現金受取のみです。
②必要書類と準備方法
| 書類名 | 詳細 |
|---|---|
| 貯金等相続手続請求書 | ゆうちょ銀行から郵送 |
| 被相続人の戸籍謄本 | 出生から死亡までの連続したもの |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 現在の戸籍謄本 |
| 相続人全員の印鑑証明書 | 発行後6ヶ月以内 |
| 遺産分割協議書 | 相続人全員の署名・実印押印 |
| 代表相続人の本人確認書類 | 運転免許証など |
③貯金等相続手続請求書の記入方法
郵送されてきた貯金等相続手続請求書には、以下の内容を記入します。
- 相続人代表者の氏名・住所・連絡先・実印押印
- 被相続人の氏名・住所・生年月日・死亡日
- 解約する口座の記号番号
- 払戻金の受取方法(ゆうちょ銀行口座または払戻証書)
- 相続人全員の氏名・住所・続柄・実印押印
④相続手続きを早く進める方法
- 相続Web案内サービスの利用:事前に相続の状況をネットで入力することで、必要書類の案内を早く受け取れます
- 法定相続情報一覧図の作成:提出すると約1週間程度で手続きが完了します
- 必要書類の早期準備:戸籍謄本や印鑑証明書を事前に準備しておきます
- 窓口予約の活用:事前予約で待ち時間を短縮できます
相談窓口:ゆうちょコールセンター 0120-312-279(平日9:00〜17:00)
ゆうちょダイレクト・関連サービスの解約方法

①ゆうちょダイレクトの解約方法
ゆうちょダイレクトの解約は、窓口または郵送で行えます。通常貯金口座を解約すると自動的に解約されますが、先に解約することも可能です。
窓口での解約:通帳、お届け印、本人確認書類を持参し、解約申込書に記入・押印
郵送での解約:公式サイトから「ゆうちょダイレクト等各種請求書」をダウンロードし、記入・押印して郵送
注意:送金予約がある場合は、送金完了または予約取り消し後に解約してください。
②ゆうちょダイレクト+(プラス)の解約方法
ゆうちょダイレクト+(プラス)を利用している場合、窓口で「切戻し請求」を行い、新しい通帳を受け取ってから口座解約します。切戻し請求には料金がかかります。
③投資信託口座・NISA口座の解約方法
投資信託口座を解約する前に、保有している投資信託をすべて換金します。換金後、投資信託取扱店舗で「投資信託総合取引解約申込書」に記入・押印し提出します。
NISA口座解約時の注意:10月1日〜12月31日に解約すると、その年の再開設はできません。
④その他関連サービスの解約
- ゆうちょPay:アプリから「設定」→「退会する」で解約(ポイントは失効)
- ゆうちょ通帳アプリ:アンインストール
- キャッシュカード・デビットカード:窓口へ返却または細かく切断して処分
- JP BANK カード:会員専用デスクへ電話して解約
- 自動積立サービス:窓口またはゆうちょダイレクトで停止
- 国債:投資信託取扱店舗で中途換金(調整額が発生)
【まとめ】ゆうちょ銀行の口座解約手続き完全ガイド|必要書類・注意点・所要時間まで徹底解説
いかがでしたでしょうか。ゆうちょ銀行の口座解約は、必要な持ち物さえ揃えれば窓口で5〜10分程度で完了する比較的簡単な手続きです。ただし、口座振替や自動引落の停止、投資信託口座の事前解約など、解約前に確認すべき事項がいくつかあります。特に相続による解約の場合は、通常より1〜2週間余計に時間がかかるため、余裕を持って手続きを進めることをおすすめします。
- ゆうちょ銀行の口座解約は窓口で5〜10分、通帳・届出印・本人確認書類が必要です。平日9:00〜16:00が受付時間で、解約手数料は無料です。
- 解約前に口座振替・自動引落の停止、関連サービスの解約を必ず確認してください。変更手続きには1〜2ヶ月程度かかることがあります。
- 投資信託・国債・特定口座を利用している場合は事前に解約が必要です。解約予定日の1〜2週間前には連絡しておきましょう。
- 相続による解約は相続確認表の提出から始まり、通常より1〜2週間長くかかります。法定相続情報一覧図を事前に作成すると手続きを短縮できます。
- 通帳紛失や届出印忘れの場合でもキャッシュカードと暗証番号で解約可能です。
ゆうちょ銀行の口座解約は、事前準備さえしっかりしておけば、スムーズに進めることができます。この記事を参考に、トラブルなく解約手続きを完了させてください。
ゆうちょ銀行の口座解約について、ご不明な点がある場合は、ゆうちょコールセンター(0120-108-420、平日9:00〜17:00)へお問い合わせください。
